三重県警の巡査部長が振り込め詐欺用の通帳等を詐取

三重県警は2011年3月22日、詐欺の被疑事実で鈴鹿署地域課旭が丘交番に勤務する巡査部長(59)を逮捕した。
巡査部長は同年2月3日、譲渡目的で津市内の銀行に自己名義の預金口座を開設し、預金通帳1通とキャッシュカード1枚を詐取した疑い。
巡査部長は勤続34年で2012年3月に定年退職の予定で、消費者金融などに約1,000万円の借金があったらしい。「間違いありません」と容疑を認めているという。
県警によると、金融機関から2011年2月中旬に「入金後すぐに引き出されている不審な口座がある」と相談があり、巡査部長名義の口座を捜査した結果、都内の30代女性が被害に遭った振り込め詐欺で使われたことが分かったという。

http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011032390004103.html
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20110323k0000m040163000c.html
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2011032201139
http://mytown.asahi.com/mie/news.php?k_id=25000001103230002

津地検は2011年4月11日、詐欺罪で巡査部長(59)を津地裁に起訴した。三重県警は同日、巡査部長を懲戒処分(停職6ヶ月)とし、巡査部長は同日、依願退職した。
起訴状によると、巡査部長は、同年2月3日、自分で使う意思がないのに、津市内の銀行で普通預金口座を開設し、通帳とキャッシュカードをだまし取ったとされる。
県警の調べでは、巡査部長は数千万円の借金があり、面識のない男から「通帳を譲渡すれば融資する」と依頼されたという。巡査部長は通帳等を男に郵送したが、融資はされなかったという。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/mie/news/20110411-OYT8T01153.htm
http://mainichi.jp/area/mie/news/20110412ddlk24040243000c.html

津地裁で2011年5月20日、詐欺罪で起訴された元巡査部長(59)の初公判が開かれ、元巡査部長は「間違いありません」と公訴事実を認めた。
検察側は冒頭陳述で「被告人が詐取したカードが振り込め詐欺に使われ、100万円の被害が生じた。キャッシュカードや暗証番号を第三者に送れば、悪用されることは警察官という職業柄よく分かっていた。住宅ローンや子供の学費の他に、スナックやキャバクラでの飲食代で計約4,000万円の借金をしていた。通帳を売れば振り込め詐欺に使用されると知っていたが、借金返済の融資を得るために犯行に及んだ」などと述べた。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110520/trl11052016240006-n1.htm
http://mainichi.jp/area/mie/news/20110521ddlk24040240000c.html
http://www.chunichi.co.jp/article/mie/20110521/CK2011052102000099.html

津地裁は2011年6月21日、詐欺罪で起訴された鈴鹿署地域課の元巡査部長(59)に対し、懲役1年6月、執行猶予5年(求刑懲役1年6月)の判決を言い渡した。
判決によると、元巡査部長は同年2月3日、第三者に譲渡する目的を隠して津市内の銀行で本人名義の口座を開設し、キャッシュカードなどを詐取した。口座はその後、振り込め詐欺事件の振込先に悪用され、都内の女性が100万円の被害に遭った。
元巡査部長は「(カードが)振り込め詐欺に利用されることまで予想しなかった」と主張したが、判決は「事件当時、現職の警察官だったにもかかわらず、カードが振り込め詐欺に使われる認識がなかったとの弁解は不合理」「カードはその後、振り込め詐欺に使われ、新たな被害者を誘発した。国民の生命や財産を守る立場で、犯行に及んだ刑事責任は軽くない」と述べた。

http://www.47news.jp/CN/201106/CN2011062101000571.html
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011062190203410.html
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110622/mie11062202100003-n1.htm
http://mainichi.jp/area/mie/news/20110622ddlk24040279000c.html