静岡県警の警部補が酒気帯びで追突事故を起こして逃走、妻に身代わり出頭させる

静岡県警は2011年2月13日、自動車運転過失傷害、犯人隠避教唆、道交法違反(ひき逃げ)の被疑事実で富士署刑事2課の警部補(46)を逮捕した。
警部補は同月12日午後7時頃、乗用車を運転中、静岡市葵区南瀬名町の県道交差点で、右折待ちをしていた乗用車に追突したうえ、逃走した。さらに警部補は自宅にいた妻に連絡して、妻を身代わりとして現場に向かわせて、「運転していたのは私です」などと妻に虚偽の事故申告をさせた疑い。
追突された車を運転していた男性と同乗の女性は、首や腕の捻挫などそれぞれ全治1週間の怪我を負わされた。
警部補は12日は休日で、息子のテニスの試合を応援した後に、息子と帰宅途中だった。事故後近くのコンビニエンスストアで妻と待ち合わせると、状況を説明して妻と息子を現場へ行かせたという。妻は自分が事故時の運転者であると名乗り出たが、事故の状況と供述が矛盾していたことから静岡中央署員が問いただしたところ、妻は「夫が運転していた」と説明して、身代わりが発覚した。
警部補は追突事故を起こしたことは認めているが、「逃げたわけではなく、相手の車を探していた」「妻が自分の話をどう取ったか分からない」と供述し、身代わりを依頼したことを否定しているという。
警部補は事故から約3時間半後に任意同行させられた際、呼気から基準値を上回るアルコールが検出された。県警は酒気帯び運転の可能性もあると見て調べる。
http://www.asahi.com/national/update/0213/TKY201102130031.html
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110213/crm11021309440002-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110213/crm11021309440002-n2.htm
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110213-OYT1T00153.htm
http://www.sponichi.co.jp/society/news/2011/02/14/kiji/K20110214000242150.html
http://www.shizushin.com/news/social/shizuoka/20110214000000000021.htm

静岡中央署は2011年2月14日、道交法違反(ひき逃げ)、犯人隠避教唆などの被疑事実で警部補を静岡地検に送検した。
警部補は逮捕直後、追突事故自体は認めたが、現場からの逃走や妻を身代わりにしたことは否認していた。しかしその後、「飲酒運転の発覚を恐れて逃げた」「すべて間違いありません」と全面的に認める供述をしたという。
追突事故から4時間後の同月12日午後11時には警部補の呼気から基準値である1リットルあたり0.15ミリグラム以上を上回るアルコールが検出されていた。警部補は「運転する前に酒を飲み、事故を起こして帰宅した後にも飲酒した」と供述しているという。同署などは酒気帯び運転での追送検も視野に捜査を進めている。
県警は、警部補の妻も犯人隠避の被疑事実で書類送検する方針。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110215-OYT1T00297.htm
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20110215ddlk22040201000c.html
http://mytown.asahi.com/shizuoka/news.php?k_id=23000001102150002

静岡県警は2011年3月1日、既に犯人隠避教唆等で送検されていた警部補(47)を、道交法違反(酒気帯び運転)の被疑事実で静岡地検に追送検した。
警部補は同年2月12日午前10時から午後3時頃までの間、県営草薙総合運動場で行われた息子のテニスの試合中、駐車場に止めた車内で日本酒を1人で飲み、同日午後3時半頃に静岡市駿河区聖一色の市道酒気帯び状態で車を運転した疑い。警部補は「長男が試合をしている間に、駐車場に止めた車内で日本酒を飲んだ」と供述し、容疑を認めているという。
また、静岡県警は同年3月1日、身代わり出頭した警部補の妻(40代)を犯人隠避の被疑事実で静岡地検書類送検した。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110301/szk11030118370017-n1.htm
http://www.chunichi.co.jp/article/shizuoka/20110302/CK2011030202000162.html
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20110302ddlk22040232000c.html
http://mytown.asahi.com/shizuoka/news.php?k_id=23000001103020001

静岡地検は2011年3月2日、警部補(47)を自動車運転過失傷害、犯人隠避教唆、道交法違反(ひき逃げ)の罪で静岡地裁に起訴した。
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20110303ddlk22040320000c.html

静岡県警は2011年3月10日、警部補(47)を懲戒免職とした。
警部補は「寒かったので車に置いてあった日本酒を車内で飲んだ」と供述。3〜4ヶ月前に購入した、1升瓶に入った日本酒の一部を飲んだと供述したという。また、ひき逃げ事件を起こし妻を身代わり出頭させたことについては、「酒が残っていることが分かれば、警察にいられなくなると思った」と供述したという。事故後に車を止めた近くのコンビニエンスストアで酒を買ってその場で飲み、さらに帰宅後も飲酒したことが判明している。
県警は飲酒運転の証拠隠滅を図るためだったとみている。
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110310/crm11031018400028-n1.htm
http://www.shizushin.com/news/social/shizuoka/20110311000000000012.htm
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20110311ddlk22040208000c.html
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110310/szk11031019120011-n1.htm

静岡地検は2011年3月16日、元警部補(47)について、追送検された酒気帯び運転の被疑事実を「嫌疑不十分」として不起訴処分にした。
同地検は「捜査を尽くしたが、犯罪の容疑は十分ではない」と説明している。
追送検容疑によると元警部補は同年2月12日午後、静岡市駿河区聖一色の市道酒気帯びで乗用車を運転したとされる。県警によると、元警部補は「昼に日本酒を飲んだ」と供述したという。
また、同地検は同年3月16日、犯人隠避の被疑事実で書類送検されていた妻(46)を起訴猶予処分とした。
http://mainichi.jp/area/shizuoka/news/20110317ddlk22040076000c.html

静岡地裁は2011年5月20日、道交法違反や犯人隠避教唆などの罪で起訴された元警部補(47)に対して、懲役2年、執行猶予4年(求刑懲役2年)の有罪判決を言い渡した。
地裁は「飲酒が発覚し、警察官の職を失うことを恐れ逃走した。動機は身勝手で犯行態様は悪質」と指摘しつつ、「懲戒免職処分や報道で社会的制裁を受けた」などと執行猶予とした理由を説明した。
元警部補は道交法違反(酒気帯び運転)の被疑事実でも送検されていたが、静岡地検は不起訴処分(嫌疑不十分)とした。

http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110521-OYT1T00117.htm
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011052190010706.html
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110521/szk11052102130002-n1.htm