京都府警の警部が違法手続を隠蔽するために虚偽公文書作成

京都府警は2011年2月11日、虚偽有印公文書作成・同行使の被疑事実で、警部(52)を今月中にも書類送検する方針であることを明らかにした。
警部は城陽署警務課長だった2010年6月、窃盗事件で現行犯逮捕した被疑者について、必要な手続を経ないまま釈放した上、適切に処理したように装うため、内容虚偽の報告書を作成するよう部下に指示した疑い。警部は事実関係を認めているという。
2010年6月17日午前2時頃、城陽市内の交差点で自転車の男とタクシー運転手がトラブルになった。自転車の男がタクシーの窓越しにキーを引き抜いたところ、タクシー運転手が110番通報し、駆けつけた城陽署員によって、自転車の男は窃盗の現行犯で逮捕された。男は当時酒に酔った様子だったが、署員は手錠をかけて署に連行。しかし、警部は「酔っぱらってるから家に帰せ」と部下の署員に指示し、同署は2時間半後に男を釈放した。
刑事訴訟法警察庁の内規では、逮捕の場合には弁解録取すること、釈放するには署長の決裁を受けることが義務づけられているが、警部はいずれの手続も行わなかった。
さらに、警部は部下に対して、現行犯逮捕の事実を伏せて、泥酔者の保護処分とする報告書を作成するように指示。手錠を使用した理由として「保護バンドを使用すべきだったが、署にバンドを取りに帰ると時間がかかるので手錠で代用した」という趣旨の説明をつけさせていた。
警部は報告書を確認、押印して上司に提出したが、当時の副署長らが一連の経緯に気づいて府警監察官室に報告、同室で詳しく調べていた。
警部は2010年11月に別の署に異動したが、府警の聴取に対し「事実と異なる記載をした」と事実関係を認めたという。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110212/crm11021202000000-n1.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110212/crm11021202000000-n2.htm
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110212/crm11021202020002-n1.htm
http://www.asahi.com/kansai/news/OSK201102120031.html
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110212-OYT1T00305.htm
http://www.47news.jp/CN/201102/CN2011021201000251.html
http://www.kyoto-np.co.jp/local/article/20110212000062

参考のため、2011年2月13日午前2時現在の各新聞社ウェブサイトの記載を以下に引用する。
「府警は虚偽有印公文書作成・同行使容疑などで捜査。」(YOMIURIONLINE)
「府警は有印公文書偽造の疑いもあるとみて捜査している。」(asahi.com
「府警は今月中にも警部を有印私文書偽造・同行使容疑で書類送検する方針。」(sankei.jp.msn.com)
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110212-OYT1T00305.htm
http://www.asahi.com/national/update/0212/OSK201102120046.html
http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110212/crm11021202000000-n1.htm

京都府警は2011年3月17日、虚偽公文書作成の被疑事実で、2010年6月当時に城陽署警務課長だった警部(52)と、警部補(50)、巡査長(48)の3人を書類送検した。
警部らは2010年6月17日、男(34)を現行犯逮捕したにもかかわらず必要な手続を経ずに釈放し、これを隠蔽するために虚偽の保護処分カードを作成した疑い。
府警によると、男とタクシー運転手とのトラブルで署員が出動し、男を現行犯逮捕した。しかし、押収品の鍵がタクシーの鍵穴と合致しなかったことから、警部は「違法逮捕になるかも」と混乱し、男が泥酔していたことに乗じて保護扱いにしたという。タクシーの鍵は男のポケットから見つかり、男も窃盗の被疑事実で書類送検された。
http://sankei.jp.msn.com/region/news/110317/kyt11031721160004-n1.htm
http://mainichi.jp/area/kyoto/news/20110318ddlk26040505000c.html

京都地検は2011年4月27日、虚偽公文書作成の被疑事実で書類送検された警部(52)ら3人を、いずれも起訴猶予処分とした。
地検は「違法と誤解して釈放しただけで、現行犯逮捕手続き自体は不当ではなかった」「虚偽の報告書作成については内部処分を受けている」としている。
また、地検は同日、窃盗の被疑事実で書類送検されていた無職男性についても「犯罪が軽微で被害弁償ができている」として起訴猶予処分とした。

http://sankei.jp.msn.com/affairs/news/110427/trl11042718130011-n1.htm
http://www.sankei-kansai.com/2011/04/28/20110428-052242.php