福井県警の警部補が公用文書毀棄

2011年3月に定年退職した福井県警の元警部補(61)が、福井署在籍中に担当していた16件の交通違反を処理せず、関係書類の引き継ぎも行わないまま自宅に持ち帰っていたことが同年10月17日、県警への取材で分かった。県警は同年8月5日、公用文書毀棄の被疑事実で元警部補を書類送検していた。今回の検挙について、県警はこれまで約2ヶ月以上、公表していなかった。
県警によると、元警部補は同年3月まで福井署交通課係長だった。引き継ぎをしなかった関係書類は、2009年5月から2010年10月に担当した交通違反で、否認、実況見分が必要、違反者が出頭に応じないなど、複雑な事案のほか、簡単に処理できるものもあったという。
元警部補が退職した後の2011年5月頃になり、福井署交通課内で元警部補が担当していた違反が処理されていないことが発覚した。福井署や県警交通指導課などが調べたところ、関係書類が元警部補の自宅にあることが分かった。県警は未処理が発覚した全ての事案について、同年6月末までに処理を済ませたという。
退職時に引き継ぎをしなかった理由について元警部補は「忙しくて手が回らず違反の処理ができなかった。退職時に後輩に任せるのは恥ずかしくて引き継ぎできなかった。署から問い合わせがあったら応じるつもりだった」という趣旨の供述をしたという。
元警部補は同年4月から、あわら署の交番で交番相談員として勤務していたが、同年8月頃に自主的に辞めた。

http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/31054.html
http://mainichi.jp/select/jiken/news/20111018mog00m040019000c.html
http://www.chunichi.co.jp/s/article/2011101890205642.html
http://www.47news.jp/CN/201110/CN2011101801000338.html
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/fukui/news/20111018-OYT8T01134.htm

福井地検は2011年11月10日、公用文書毀棄の被疑事実で書類送検された元警部補(61)を不起訴処分(起訴猶予)にしたと発表した。
全書類を自宅に保管し、発覚後に違反が適切に処理されたことなどを考慮したという。

http://mainichi.jp/area/fukui/news/20111111ddlk18040630000c.html